「保健・医療・福祉から教育まで人的リソースを総合した発達障害児のコミュニティー支援」

木工療育活動概要

【はじめに】

 平成12年度に春日市において「保健・医療・福祉から教育まで地域の人的リソースを総合した発達障害児のコミュニティ支援事業」が行われた。そこでは、春日市内の小学生を対象として、発達相談希望者を募り、回答のあった子ども達について専門家による発達評価が実施される。「木工療育」とは、発達障害を持つ子ども達に対する社会的サポートシステムの構築という目標に関連した受け皿についての「提案」活動として参加。

 子ども達が、地域社会のなかで、のびのびと活動できる具体的な「場」の創出の仕方を研究、実践することが目標。特に、子ども自身のコミュニケーションを改善させるという視点に偏らず、周囲の人たちが子どもに伝えようとする内容をどのように工夫していけばよいか具体的に学んでいくという視点を重視しているため、それぞれの子どもたちの個性に応じたつきあい方に気がついて実践できる人が増えることによって、子どもたちが生活しやすくなるという考えに立つ。

 今回は「木工」を手段とし、「木工」という創作活動を通じたプログラムが、子どもたちのサポートにどのように貢献できるか検討した。活動の対象となるのは、スタッフ、子ども自身、保護者、学校の先生方、通常、発達障害の子どもとの関わりがないが関心を持ってある程度木工の技術をもっている一般の方々(以下ボランティア)である。

【目的】

(1) 発達障害を持つ子供へのサポートとして、周囲の人たちが子どもたちの持つ特徴や傾向を理解しやすくする学びの「場」を提案する。

(2) 物作り(木工)によって、子ども自身が、達成感を得られる活動の「場」を提供する。

(3) 準備・実施・反省を通じて、地域での子どもたちへのサポートのあり方を提案する。

【実施期間】

平成12年4月1日から平成13年3月31日

【内容と方法】

*平成12年7月実施の「おこさまの発達に関する相談について」によせられた希望回答の中の一部の子どもたちに対して、サポートのあり方の提案事業。事業の中身を充実させるために関与者を対象とした基礎勉強会や実際の木工作業を行う。これによって、関与者が「発達障害」についての理解をふかめ、「木工」という創作活動の持つ「起承転結」の流れや「スモールステップ」の設定について具体的に学び、子どもたちへのより良いサポートの仕方を提案・実施できるようにした。

*今回は「おこさまの発達に関する相談について」の質問項目(3)「運動面についてのご心配」であがってくる人たちについての木工教室を想定して準備した。


(1) 木工療育基礎勉強会

(a) 発達障害のある子どもたちを理解するための基礎的な勉強を行い、その参加者の意見を参考として、一般の人たちを対象とした「学習会」のプログラムを作る。1回2時間の枠で6回の実施。いずれも5名〜10名。

(b) 発達障害のある子どもたちに対して「木工」を提案する根拠についての学習会を行い、子どもたちの持つ特徴や傾向に応じたいくつかの「木工教室」プログラムを作る。1回2時間の枠で3回の学習会と、1回6時間の枠で3回の木工教室を実施。いずれも5名から10名。

(2) 木工療育実施

(a) 対象児
今回は、特に構成能力や手指の巧緻性などに問題を持つことで学習面の支障を覚えている子どもたちが対象。「おこさまの発達に関する相談について」での質問(3)

(b) 募集方法
春日地区で実施される小学生を対象とした発達相談の希望者に対するアセスメントの際に、アセスメントを担当される先生方を通じて「木工教室」についてご案内をした。5名から8名に対して実施できる規模。

(c) 関与者のためのワークショップと事前アンケート
(1)−(a)で作成した、発達障害を持つ子どもたちを理解するためのプログラムを元にしたワークショップを開催した。このとき、このプランが、子どもたちへのサポートにどのように貢献できるかまたできない場合の問題点は何かを確かめる目的で事前アンケートに協力していただいた。スタッフ向け、ボランティア向け、保護者向け、学校関係者向け。各5〜10名1回2時間の枠で計4回。

(d) 対象児とスタッフとの交流
(1)−(b)で作成した木工療育プログラム案について、実際に参加する子どもたちと交流することで、見直しをはかり修正。子ども5名〜8名、スタッフ5名〜10名で1回半日程度の枠で計1回。

(e) 「木工教室」の実施
(2)−(c)(d)で得られた情報をもとに、実際に「木工教室」を実施した。

(f) 事後アンケートの実施
(2)−(c)に対応する形で、スタッフ、ボランティア、保護者、学校関係者に対して事後アンケートに協力していただいた。

(g) 反省・評価会

(3) 結果についてのまとめと考察

これらの一連の取り組みについて、報告書にまとめた。

地域社会で、発達障害を持つ子どもたちをサポートするにはどんな視点が必要か?
(a) 具体的な提案は、効果があったか?(事前事後アンケートを元に)
 関与者向けのワークショップについての考察
 子どもたち向けの木工教室についての考察
(b)今後の可能性について


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